はじめに
線形代数で何をやっているのかイメージがつきやすい良書ということで友人におすすめしてもらったので、『プログラミングのための線形代数』を読みました。
ブログにまとめるというよりも、本を読み返した方が確実に効果があるので、内容をきちんとまとめたりはしません。特に印象に残った内容に関してメモとして残しておきます。(このメモも、本を読んでないとなんのことかさっぱりだと思います。)
まとめ&感想
大学1年生の頃に読んでおきたかった本でした。まずは線形代数という道具が一体どのように役に立つのか、そこから入ります。1年生の頃に線形代数を勉強した時、抽象的な概念ばかりで一体なんの役に立つのかと首を傾げていた覚えがありますので、こういう話が導入部分で書いてあるのは嬉しいです。線形代数の各概念を空間でイメージし、さらに行間や式自体のお気持ちを補足してもらっているので、非常に読み進めやすい本でした。
特に大事なところは、行列は空間をイメージする、行列は写像だというあたりでしょうか。
特に印象に残ったところ
基底について
特定のベクトルを指定するのに、明確に番地を指定する必要がある。その番地の基準となるのが、基底である。この定義からも、基底と呼ぶための条件は、次のようになる。
- 今考えている空間内のどんなベクトルでも、基底の線形結合で表される。
- しかも、その表し方はただ一つだけである。
そして、基底ベクトルの本数を持ってその空間の次元と定義する。
行列は写像だ
とは、行列 を指定することで、ベクトルを別のベクトルに移す写像が定まるということ。つまり点を点に移すことであり、空間全体が変形するところをイメージすると良い。
核(kernel)と像(image)
- 与えられたに対して、に移ってくるような集合をの核(kernel)と呼ぶ。
- 与えられたに対して、を色々動かした時にで移り得るの集合を、の像(image)と呼ぶ。
正則性との同値表現
- どんな次元ベクトルにも、となるが一つだけある
- は正則行列。逆行列が存在する
- の写像は「ぺちゃんこにつぶさない」
- となるのはだけ
- が原点のみ
- の列ベクトルが線形独立
- の写像は「行先の空間全体をカバーする」
- が固有値0を持たない
LU分解の嬉しさ
LU分解とは、与えられた行列を下三角行列と上三角行列の積で表すこと。一旦LU分解されれば、行列式などの計算が少ない計算量でできる。前処理として行うことであと段階の計算が楽になることから、数値計算の基本として頻繁に利用されている。